学術論文

基本情報

氏名 田浦 元
氏名(カナ) タウラ ゲン
氏名(英語) Gen TAURA

著書,学術論文等の名称

緊急事態宣言下における新型コロナウィルスの企業経営への影響についての多重クロス分析

単著・共著の別

単著

発行又は発表の年月

2020/12

発行予定

 

発行所,発表雑誌等又は発表学会等の名称

中小企業家同友会全国協議会企業環境研究センター

巻・号

第25号

掲載ページ

63~80

概要

本論文は、新型コロナウィルスの企業経営への影響について、特に緊急事態宣言発令以前と緊急事態宣言下における傾向の相違について、ミクロデータ分析を試みたものである。分析の結果、以下の5点について明らかにした。第1に、緊急事態宣言発令以前の活動自粛期から、企業活動への大きな影響が出ていたこと。第2に、緊急事態宣言下では、その影響は更に深刻なものとなったこと。第3に、これらの影響についての業種別の特徴的傾向を示した。建設業では、商談遅延、国内からの調達の支障、原材料価格上昇の影響が大きかった。製造業では、国内外への出張の中止、海外からの調達の支障、資金繰りの悪化、が深刻だった。流通・商業では、来店数の減少、イベントの中止等、が他業種より高かった。サービス業では、予約キャンセル、来店数の減少と、感染防止策や勤務調整についての影響が深刻だった。第4に、業種別の特徴的傾向も、緊急事態宣言発令以前と宣言下では異なっていることを明らかにした。建設業では、売買契約から完成までに時間を要するため、予約キャンセルとそれに伴う資金繰りの悪化が、他業種よりも遅れて第2回調査で顕在化した。製造業では、緊急事態宣発令以前と宣言下で影響の傾向は概ね同様であったが、上位項目における影響は更に深刻なものとなった。流通・商業では、上位項目の回答割合の増加と共に、営業自粛、休業、従業員の時差出勤、資金繰りの悪化が深刻化した。サービス業では、緊急事態宣言下で、来店数の減少と営業日数の減少が更に深刻化し、その結果資金繰りが悪化した。また、感染防止のための物資の不足、および、従業員の勤務調整についての影響が深刻だった。第5に、わが国企業が緊急事態宣言発令以前から、緊急事態宣言下と遜色のない企業活動の「自粛」を実施していたことを明らかにした。