本研究は、IPOまでの業績の標準偏差から、企業リスクの評価を行い、ベンチャー投資におけるシンジケート投資との関係性を検証するものである。これまでの投資家サイドのリスクのみを扱った研究とは異なり、リスク分散の実態をより正確に把握する事を目的とした。本研究における実証分析の結果、リスクの高いベンチャー企業ほど、VCはシンジケート投資を行っているというものであった。つまり、VCが投資先のリスクを分散させるためにシンジケーションを組むという「リスク分散仮説」は、わが国において支持される。