本稿は、前稿に引き続き19世紀中葉から後半のドイツにおける経済発展を鉄道建設との関連の下で理解しようとするものである。とくに、前方連関効果と後方連関効果を考察する。前者は、鉄道が石炭などの市場拡大に貢献する効果である。後者は、鉄道が製鉄業や機械工業などの生産を拡張させる効果のことである。これら二つの効果を各種データに基づき、実証的に検討する。(21頁)